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黄色い悪魔とチーム9 帝国の逆襲

3歳の男の子、交通ルールを守ってオモチャの車で公道ドライブ | Excite エキサイト
いいねえ~男の子は冒険しなくちゃ

確か小3くらいかな
当時団地に住んでいた俺はその団地のちょっとしたお兄さん的存在だった(チーム9号棟)
周りが年下だったんだけど

ある日いつものように皆で遊んでいると子分のA君が
『蜂の巣があるよ!!!』と
興奮気味でやってくる
ここは兄貴の出番だ

子分たちを引き連れやってきた現場
サザンカの植え込みの中に確かにでっかい蜂の巣が
皆大興奮
子どもにとってはまさに身近な大事件だ
蜂はいるのかいないのか姿は見えない

格好の遊び道具を見つけたはいいがどうしたもんだか
これが今なら通報して駆除になるんだろが当時8歳をリーダーに置く我等が部隊にはそんな知恵はない
とりあえず俺は石を投げてみることにした

足元にあった手ごろな石を拾いヒョイとアンダースローで放る
全力で投げつけるんではなくヒョイと放ったのがやはり幼かった自分の好奇心と恐怖のハザマってやつなんだろう

放物線を描くソレは見事に
ホント見事にポッカリと開いた蜂の出入り口へ入った
今でもゴミ箱にむけて丸めたティッシュを放ったりするが
ここまで見事に狙い過たず命中した
いや穴に吸い込まれたのはこれが最初で最後であろう
スターウォーズ1で、ミサイルだか爆弾を帝国の衛星にピンポイント爆撃する場面があったが正にそれだ
その時の俺は正にフォースと共にあった

見事に穴に吸い込まれてから
それはどの位の時間だったのだろうか
1秒…2秒…
それは永遠に感じられた

ただ二投目の準備をしていたから5秒はあっただろう

ソレは突然やってきた、いや起こるべくして起こった
その穴の住人達にとっては当然の反応であっただろう

ピーヨン!!ピーヨン!!

我出所不明の隕石による攻撃を受けつつあり
緊急スクランブル!
誰からでもいい!!あがって奴等をぶちのめしてやれ!!
対空砲火!弾幕薄い!何やってんの~~~~!!

ヒョッコリと穴から出てきた黄色と黒の縞々
俺は危険だよと言うカラーをまとったそいつは一匹、二匹と数を増やし周囲を見渡す

と、目が合った
ホントにソイツと俺は目が合ったのだ
と、次の瞬間
ブオ~~~ン!!と言う重低音の羽音と共にコチラに向かってきた

逃げろ!!
号令と同時に一斉に逃げ出す我等がチーム9号棟の一員、団子に塊逃げ出した
蜘蛛の子を散らすように逃げれば良かったのだがそこは小学低学年達、一生懸命兄貴な俺について来る
その後ろには黄色い悪魔
オオスズメバチが10匹以上唸りをあげてもうまさに射程圏内に入らんばかりだ

このままではマズイ

お前らはアッチに逃げろ!!

俺は子分達にそう叫びながら右を指差した
それに従い右斜めに向かう子分たち
ソレを見届け再び前を見て走ろうとした瞬間

ガチッ!バチッ!!

ぐわっ(心の中で)


『だいじょ~ぶ~?だいじょ~ぶ~?』
うずくまる俺の周りには幼い子分たちが心配そうに集まっていた
ヤツラは俺をシコタマ刺して気が済んだのであろう、いつの間にかいなくなっていた
走って逃げたのは団地内の道路を横切れなかったから10㍍も無かったかもしれない

『誰も刺されてない?』
『だいじょ~ぶだったよ、だいじょーぶ?だいじょーぶ?』
ここで駄目だと言えないのが兄貴の辛いところだ
俺は空元気に
『大丈夫だよ、こんなもんはこうやって冷やしとけば治る』
とお医者さんゴッコレベルのワケの分からない処方を自らに下し、皆に囲まれながら団地にある水道で頭に水をかけた
『でもおいしゃさんに見てもらったほうがいいよ~』
(え?そ、そ~かな~??)
俺はそうする旨を皆に告げ皆を解散させると、うちへと帰った
が、悲しいかな俺は鍵っ子である。帰ったものの誰もいない
仕方なし俺はお袋の勤め先に電話をするのであった
『どうしたの?』
そのお袋の声を聞いて安堵すると共に一気に不安が押し寄せてきた

『すずめばちにさされた・・・』
『え?』
『すずめばちにさされたぁぁぁぁ~~~~(泪)』

スズメバチとは知っての通り、刺されたら下手したら命の危険がある蜂である
他の蜂では?とも考えただろうが俺は当時昆虫大好きな子どもであり毎日の様に図鑑を見ていたから間違えると言う事は考えにくい
事実、俺は団地のツツジにきていたキイロスズメガが友達に蜂だ~!と叫ばれながら潰されそうになるのを、違う!これはキイロスズメガと言う蛾だと冷静に諭し止めたことがあるような子どもだった
お袋も変に焦ったであろう
なんてコノ子は正確に自分が刺された蜂の名前を告げるのかと
またよりによってスズメバチと

その後俺はお袋の指示で同級生のやっている薬局にいき再び焦らせ薬を塗って貰うと、うちまで送ってもらった挙句布団まで敷いて貰い寝込むのであった

起きたのは翌日であっただろうか
定かではない
親父が手にいっぱいのスズメバチの亡骸を見せながら(それも凄いが)その巨大な蜂の巣が大人たちによって退治されたことを教えてくれた

それ以来随分と大人になった今でもスズメバチがこちらに向かってやってくると伏せてしまう。苦手な昆虫と言えば第一にオオスズメバチだ。(巨大カマキリとの格闘もあるのだがそれはまた別の機会に)


今でもその時の映像はすぐに再生される
幼かった自分の影と共に

この3歳の男の子はこの冒険を覚えているのかな
by TAIYO-VILLAGE | 2007-10-14 07:10 | ブツクサ…
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